6種複合免疫療法という選択肢
がんのステージ4と告げられたとき、多くの方が「もう打つ手がないのでは」と感じるかもしれません。標準治療の限界や副作用に悩みながら、「少しでも希望があるなら試してみたい」と思うのは自然なことと考えます。
そもそも免疫とは？
ヒトの体には、ウイルスや細菌、がん細胞などを見つけて攻撃する「免疫細胞」という仕組みがあります。代表的なのは、NK（ナチュラルキラー）細胞やT細胞といったもので、これらが、がん細胞の増殖を抑えると言われています。
ところが、がん細胞は「自分が異物であることを隠す」能力を持っていて、免疫の監視から逃れてしまいます。
6種複合免疫療法とは？
がん免疫療法の1つで、複数の免疫細胞を増幅し、総合的に体の免疫力を高めることを目的としています。
- キラーT細胞：指令に忠実に働く
- NK細胞：がんを見つけ次第、退治する
- NKT細胞：自らも戦う、がん治療の究極の助っ人
- γδT細胞：抗腫瘍作用でがんを退治する
- 樹状細胞：敵の情報を入手し、攻撃目標を伝達
- ヘルパーT細胞：免疫の司令塔となる
6種複合免疫療法は、私たちの体の中にある免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻し、がんと闘う力を増強させる療法で、6種複合免疫療法を開発した倉持恒雄（医学博士）は、1970年代より米国、カナダの医科大学で免疫学を学び、以来40年以上にわたって研究を重ね、6,000人以上のがん患者様の細胞を培養し、がん治療に貢献してきました。
その中で、最初に抹消血中のリンパ球とNK細胞をフラスコの中で活性化・増殖させる培養方法を発見し、その後「NKT細胞」「γδ（ガンマ・デルタ）T細胞」「樹状細胞」「ヘルパーT細胞」を加えた6種類の細胞を同時に活性化・増殖させることに成功したことにより、現在の6種複合免疫療法が確立されました。
具体的な治療方法は、患者さんご自身の血液から免疫細胞を静脈採血することによって取り出し（採取）、活性化・増殖（培養）させて投与することでがんと闘う力を増強させる治療法です
元々体内にあった免疫細胞を利用するため拒絶反応などの心配がなく、家族と過ごしながら無理なくがん治療を行うことが可能です。
標準治療と併用について
6種複合免疫療法は、「標準治療に取って代わる治療」ではなく、「今受けている治療を続けながら補う治療」とも考えます。たとえば、分子標的薬やホルモン療法と併用しながら、免疫力を支える役割として使われることもありますので、一つの治療法の選択肢として、医師にご相談ください。
副作用も比較的少なく、「体調を整えながら治療を支える」というやさしい治療選択でもあります。
あなたの体の力を、もう一度信じてみる
免疫療法は、あくまで「あなた自身の体の力を引き出す」治療です。
今、つらい治療に疲れている方も、「まだ何かできることがあるかもしれない」と感じている方も、無理のない形で治療に向き合える選択肢のひとつとして、ぜひ知っておいていただけたらと思います。
気になることがあれば、どうぞご相談ください。あなたの状態や希望に合わせた統合的なご提案をさせていただきます。