生活習慣と体の中の“環境”を整えるという考え方
がんと診断され、治療が進んでいく中で、誰もが思うのが「再発しないだろうか」という不安です。
特にステージ4と診断された方にとっては、「治療がひと区切りついたあと、どう過ごせばいいのか」がとても大きなテーマとなります。
もちろん、再発や進行を完全に防ぐことは難しいかもしれません。
ですが、生活習慣や体内環境を整えることで、がんが再び活発になるリスクを下げられると考えられています。
それが、「今からでもできること」だと考えます。
「体内環境」って、何を意味しているんだろう?
がん細胞は、ヒトの体の中で毎日、日常的に生まれているといわれています。
しかし、それを毎日排除しているのが免疫細胞であり、それが免疫細胞の働きです。
ところが、ストレスや生活習慣の乱れ、慢性炎症などが続くと、免疫がうまく働かなくなったり、「がん細胞が成長しやすい環境」が体の中にできてしまうことがあります。
たとえば、
・慢性的な炎症(腸内環境の悪化など)
・血糖値の乱高下(がんは糖分を好みます)
・睡眠不足や過度なストレス(免疫低下の原因)
こうした「体内の状態=がんが成長しやすい環境かどうか」という視点が、再発予防において注目されています。
食事で整える、がんが育ちにくい環境
食生活は、体の状態を大きく左右します。がんの再発予防を意識するうえで、以下のようなポイントが推奨されています。
・野菜・海藻・きのこを意識して摂る(抗酸化物質・食物繊維が豊富)
・白い砂糖・精製された炭水化物を控えめに(血糖値の急上昇を避ける)
・加工肉・トランス脂肪酸の摂取を減らす(炎症リスクを下げる)
・発酵食品を取り入れる(腸内環境の改善)
体内のアルカリ化などの栄養療法に加えて、当院では、一人ひとりの体質や治療の状況に合わせたサプリメントや漢方処方もご提案できます。
心と体を回復させる「休む力」
再発を防ぐには、「がんと闘う」のではなく、「がんが育ちにくい体(環境)を育てる(整える)」ことがとても大切です。
近年、特に注目されているのが「質のよい睡眠」と「ストレスケア」です。
体を回復させる時間を意識して摂ることで、免疫の働きも高まります。心と体を同時に整えることが、がんの再発リスクを下げる近道になります。
小さな習慣が、未来の安心につながる
「再発を完全に防ぐ」ことは難しいかもしれません。けれど、「睡眠」と「ストレスケア」で、ご自身の体にやさしい生活を心がけることは、再発のリスクを下げるだけでなく、日々の体調を良く保つことにもつながります。
たとえ治療中であっても、少しずつできることから始めてみましょう。
がんと向き合う時間を、少しでも穏やかで前向きなものにしていくために。
そして、小さな習慣を未来の安心につなげてください。